1. 歯の状態を確認し、歯垢や歯石の程度、歯周ポケットの深さなどを確認します。歯周病菌や虫歯菌のすみかとなっている無色透明のバイオフィルム(プラーク)に、染色液を使って見えやすくします。バイオフィルムは細菌叢の表面をガードし、細菌を洗口材などの薬剤から守る役割を果たし、歯に強固にこびりついているため、歯ブラシで除去が難しく、虫歯や歯周病を引き起こします。バイオフィルムは、エアフローでのみ破壊が可能です。
2. エアフローとは、圧縮空気、14マイクロのエリスリトールパウダー、水を歯面に噴射してクリーニングする器具のことです。当院で使用しているEMS社の最新のエアフローのパウダーの成分は、エリスリトールです。エリスリトールは、パウダースノーのようにふわふわの状態をキープされるよう表面がシリカ加工され、人工甘味料の一種でほんのり甘く、大きさは14μmと小さく、重量も軽いため、歯肉に当たっても痛くありません。象牙質やエナメル質など硬組織と、歯肉などの歯周組織へのダメージを最小限に抑えながらバイオフィルムを破壊することで低い細菌数を維持できるようになりました。すなわち、施術中の痛みが少ない、ご自身の歯や補綴物を長く維持することにつながることになります。
3. 次にスケーリング(歯石の除去)を行います。歯と歯茎の間に深い溝がある方は、歯の表面のクリーニング後、溝に残っているバイオフィルムをクリーニングしていきます。
4. クリーニング後は綺麗になった歯と歯の間、歯の詰め物やインプラントの状況が顕著になります。その状況を確認し、歯石の取り残しがないか、合わせて確認します。最後の仕上げに歯の表面にハイドロキシアパタイトを塗布してコーティングすることで、歯をツルツルにし汚れを付きにくくします。